入国拒否
留置所
悪人食堂
もう既に…
今迄感じていた常識など…
どこにも無かった…
昼食のロシア系悪人テーブルは、もの静かで居心地が良かった
それにしても…
凶悪犯のキッチン野郎達によって山詰みにされたランチ…
料も多過ぎやし、全部まざっとるし…
変な物は入ってないだろうけど味も微妙やし…
うーん…
と苦しみ悩んでいたら、同じテーブルの最年少悪人君が
当たり前の様にゴミ箱に残飯を棄てに行ったのを見て一安心
数分間、食べるフリをして
ゆっくりと席を立ち…
ゴミ箱まで行き…
捨てる
「食べ物の神様すみません」
部屋に戻る途中、職員の方に呼ばれ部屋に行く
「Are you OK ?」
心配そうにしてくれてたが、「オケ!」と伝えた
彼はバスタオルを渡して来た
「サンキュー」
シャワーを浴びろとの事らしい
一旦部屋に行き、ベッドに横になる
するとさっきとは別のブザーが鳴り響く
空気が変わったのを感じた
ルームメイトは寝ていたが、他の部屋を覗くと
怪しい動きをする悪人達がいた
どの部屋も同じ様な動きをしている…
言うまでもない
イスラム教のお祈りの時間だった
おい!
そう、天井の見慣れない矢印の「North→」とは
神の方角の北の意味であったのだ
悪人のクセに、宗教(神様)には純粋なんだな
だったら犯罪なんてしなきゃ良いのに
でも世界を見ると、犯罪しないと食べて行けない世界もある訳なんだよね…
なんだか寂しい気分になったのを覚えています